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東京葛飾のコントラバス販売専門店『ベースランド』です!商品紹介や修理調整、工房日記など載せています。

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弦楽器の表板はどんな材料を使っている?

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今回は弦楽器の材料について少し専門的なお話をしたいと思います。

表板に使用する材料は一般にスプルースドイツトウヒなどと言われていますが、一体どういう木なんだろうと思いますよね?

気になる方は是非このあとの記事を読んでみて下さい😁

 

 

 スプルースって何?

 

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スプルース(Spruce)とはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹の総称のことです。

wiki

シトカススプルース、エンゲルマンスプルース、ウエスタンホワイトスプルースなどがあり、日本では米トウヒと言います。

材料としてのスプルースは大きく分けて北米産ヨーロッパ産の二つがあります。

北米大陸から南カリフォルニアの北部にかけて分布するものと、東ヨーロッパに分布するものです。

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木の特徴

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 木の高さは平均で37メートル、直径は0.8~1.2メートルほどの大きな木です。

なかには樹高95メートルの世界最高の巨木シトカトウヒなどもあったりします。

 乾燥が早く、軽くて柔らかいけど繊維は強く柔軟です。

木材の利用方法

バイオリンやピアノ、ギターなどの楽器の響板のほかにドアなどの建築材料

日本では水に強い特性を活かしてまな板などに使ったりしています。

ノルウェイスプルース(ドイツトウヒ)はクリスマスツリーに使われている木だったりします🤭

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弦楽器にはどのように使うの?

バイオリンの表板にスプルースを使う場合、丸太の木材からクォーターカットで材料を切り出します。その後、ブックマッチという合わせ方で左右の材料をはぎ合せて表板に加工されます。

言葉だとなんのことかわからないと思うので図にしてみました😅

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表板は大きくて厚みのある材料から削り出して表板の形にします。

板の厚みは薄いところで2.5mmくらいになるため、材料の大半は木くずとなってしまいます。

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コントラバスの表板も同様です。

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表板以外の使い方

表板以外にもスプルースを使う場合があります。

楽器の内部のライニングブロックというパーツに使うことがありますが、この材質については決まりがないので、ヤナギなどの木を使うこともあります。

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どうして表板にスプルースを使うの?

 スプルースは前述のとおり、軽くて適度に強度のある木材です。

この性質は楽器の響板(振動板)としてとても適しています。弦の振動を効率よく伝えることができるからです。

また柔らかいのも特徴の一つで、耳障りな高周波数の音の成分を吸収してくれます。

そのおかげできれいな響きとなります。

スプルースの仲間と名称の違いについて

日本の北海道にも蝦夷松(えぞまつ)という似た種類の木がありますが、アジアの木は気候の関係で硬くなる傾向にあり、楽器に使用した場合硬い音になってしまいのであまり適さないといわれています。

たびたび名前を出しましたがドイツトウヒ(欧州トウヒ)という木材もバイオリンの材料に使用されているものです。

こちらは東ヨーロッパ、北ヨーロッパに分布する樹木で北米のスプルースとは同じ属の木ですが、厳密には違うものです。

一般的に緯度の高い地域の木材ほど良材になるとされ、建築材などとしてはスプルース類の代替品としてドイツトウヒが使われています。

 

最後に

スプルース(トウヒ属)北半球の温帯から亜寒帯にかけて広い範囲に30種以上が分布するため、国によって材料が少しずつ違う可能性があります。

ドイツやイタリア、フランスなどでは東ヨーロッパ、北ヨーロッパのスプルース、アメリカでは北米大陸やシベリアのスプルース、中国ではもしかしたら国内の山岳地帯でとれたスプルースを使用しているかもしれません。

近似種のため、見分けるのは難しく分解したりもできませんが材料の違い、音の違い、見た目の微妙な違いに注目しながら楽器をみてみるというのも面白いと思います。

 

余談ですが、この記事を書いている最中、日立製作所CMの『この木なんの木』が脳内再生されました😅

それでは失礼します。

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