こんにちわ皆さん
コントラバス販売専門店ベースランドの代表下川です。
今回はオープンを伴うコントラバスの表板割れ修理についてお話します。
(割れ修理にオープンは必須ではありません。した方が確実ですが、さまざまな方法があります。)
トップがはオープン後に楽器全体が変形しない様に棒をつけて形を保持している様子です。より変形がシビアになるオールド楽器などではもう少ししっかりと固めた方がいいです。
修理前の状態
全体に計5か所の亀裂が入っている状態です。
おそらく倒してしまったりしたためと思われます。コントラバスは楽器事態に重さがあり、さらに弦の張力が非常に強いために大きな衝撃が加わったときにこのように大きな故障につながりやすいです。
持ちにくい大きさですが、みなさん倒さないようにだけ注意してください🙇
幸いにも、バスバーとは逆側であり、魂柱で力のかかる部分とはかぶっていなかったため、補強も少なく修理が可能で費用も抑えることができました。
修理方法について
割れ修理は画像のように木のブロックを張り付け、それをクランプで挟むことによって
接着します。
コントラバスはバイオリンよりもしっかりと締める必要があるのでブロックは大きくしています。(画像ほど大きくする必要はありませんが、別の事情で特別大きくなっています)
接着は天然接着剤ニカワを使用します。
接着後に内部に補強用の木の板を張り付けたり(スタッズ)して補強します。
部分によってはそれだと補強として弱すぎるため、割れの部分を薄くなるまで彫り込んで新しい木の板を接着するパッチという修理を行うこともあります。
僕がコントラバス店とは別に行っているバイオリン工房の記事で詳しく解説していますのでもしよろしければ読んでいただけると嬉しいです😊
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修理後の写真
ニス補修前👆
ニス補修後👆
色を入れたりアルコールニスを塗ったりして割れあとが目立たない様にします。
この画像のあと表面のつやなども合わせています。
割れたときには飛び散った木片があれば集めて取っておいてください。
接着で戻せる場合が多いので、よりきれいに治すことができます。
最後に
今回のカールヘフナーは結構大柄な楽器で板の厚みもしっかりとあったため、修理後の強度の不安もなく、使用出来ているそうです。
音の鳴りもよく調整もよかったというご連絡をいただき嬉しい限りです。