皆さんこんにちわ
コントラバス販売専門店ベースランド 代表の下川です。
きたる開店3周年記念セールの際に数量限定のコントラバス弦(スピロコア・ベルカント)セールを企画しております。
それに向けてそれぞれの弦の特徴などをご紹介したいと思います。
ちなみに今回紹介する弦はどちらもオーストラリア(ウィーン)の歴史ある弦メーカー『トマスティーク社』の製品です。リンクを貼っておきます😊
Thomastik-Infeld Quality | Thomastik-Infeld Vienna
チャートから見る弦の特徴
これはトマスティークが公式に載せているチャート表です。
横軸はBrilliantとWarmが対比となっているが訳すと輝きのある音・温かみのある音となる。
縦軸のBROADとは直訳すると”広範囲の”と言う意味がある。音についての範囲とは何かについてはさまざまな考え方があるが音量は基本的にあった方がいいものであり、音質によって聴こえ方は違っても楽器の状態や弾き方に依存するものであるためこのことを指してはいないと考える。音域についても弦長およびテンションやゲージにより固定されるため違うと考える。
おそらく範囲というのは音の周波数帯のことではないかと思われる。
つまり基音がしっかりとしているか、倍音成分が多く含まれるかの違いだと思われる。
金属芯の弦に対してナイロン芯の弦がそちらに寄っていることからも想像できる。
スピロコア(SPIROCORE)
音の粒がたっていて、やや硬質、基音がしっかりとした印象を受ける。
よくある表現としては『明るくパワーがある音色。反応が早く残響が長い。ピッチカート向き』
弦の特性上ジャズなどで使用されることがとても多く。弓弾きの動画をピックアップすることはできなかった。
ベルカント(BELCANTO)
しっとりとしていて、豊かに広がるイメージである。
音量があり暖かみのある音色。
弓弾き用に開発された。オーケストラやクラシック向き。
弦の芯材(CORE)で見る違い
素材
重さが軽いほど音は高くなるため、ナイロン芯と金属芯で同じ音程に調弦をした場合、ナイロン弦の方が太くなる。
ナイロン弦は素材の硬度が柔らかく、柔軟性があるためより倍音を得やすい一方、金属弦のようなクリアな基音や音量は得られない。
結果てきに音圧や硬質な感じは金属弦の方がある。ナイロン弦は音圧がないためぼやけているように感じる一方で柔らかくも聞こえるのである。
スパイラル(SPIRAL)構造
スピロコアに代表されるスパイラルコアとは単線を螺旋上に寄り合わせて作った芯線のこと
螺旋とは通常一つの線をグルグルと巻いたものを指す。
ただこの状態では引っ張り方向に対して弱すぎるため、ここでのスパイラルは2重螺旋の事を指していると考えられる。
ロープ(ROPE)構造
ベルカントに代表されるロープコアとはこれをさらに複雑にしたものである。
スパイラルにしたものを逆方向にさらに寄っていくとより強度に優れた構造が出来上がる。
まさに紐(ロープ)と同じである。
同じ長さ・質量・張力の弦を比べた場合に構造的な音質の違いはない。
単一の金属線を完璧な精度(太さや重さ)で長く作ることは技術的に不可能であるから、ただの金属の一本線だと太いところや細いところ、軽いところや重いところがある。
何本かより合わせるとある程度全体が同じくらいにそろえることができる。
また束ねることによって柔軟性や強度が増すため、より豊かなサウンドが得られる。
弦のステータスで見る特徴や違い
スピロコア(SPIROCORE)
<オーケストラ>
芯(CORE) : スパイラル(Spiral)
巻き線(Outer material) : クロム(Chrome)※クロムはレアメタルのため合金の事を指していると思われる。
ラインナップ : ライト・ミディアム※右へ順番にゲージが太くなる=張力が強くなる。
ペグ側の飾り糸の色 : ライト(紫)・ミディアム(赤)※テールピース側はすべて赤
張力 : ライト(114.5kg)・ミディアム(126.5kg)
推奨弦長 : 104cm
使用弦長範囲 : 103~106cm
ベルカント(BELCANTO)
<オーケストラ>
芯(CORE) : ロープ(Rope)
巻き線(Outer material) : クロム(Chrome)※クロムはレアメタルのため合金の事を指していると思われる。
ラインナップ : ミディアム
ペグ側の飾り糸の色 : ミディアム(オレンジ)※テールピース側はオレンジ
張力 : ミディアム(115.2kg)
推奨弦長 : 104cm
使用弦長範囲 : 103~110cm
二つの弦の比較【まとめ】
【コンセプト】
スピロコアはジャズ(ピッチカート奏法)向け。
ベルカントはオーケストラ(アルコ奏法)向け
【音質】
スピロコアはスパイラル芯線のためよりクリアな(輪郭のはっきりした)音がでる。また反応が早く、いわゆるサスティーン(残響)が長い。
スピロコアはミディアムゲージがあるためより太く重厚感のあるサウンドを目指せる。金属的な感じも強いため管楽器と組み合わせてもしっかりと存在感を出せる一方で、編成によっては悪目立ちしてしまうことも
ベルカントはロープコアのためよりやわらかな音(倍音成分の多い)で音に厚みがある。
ベルカントは張力が弱く、スピロコアのライトほどしかない。弾きやすい一方で音量(音圧)や立ち上がりの早い感じは得られにくい。
しかし非常に柔らかく耳障りのよいサウンドで金属的な硬さが少ないため、室内楽・アンサンブルにも向いている。
余談(ソロチューニング弦とライト弦の違いについて)
ソロチューニング弦について
ライト弦とソロ弦を混同している場合があると思うが、ライト弦とはライトゲージともいい太さが単に細い弦の事を指している。
これは張力が弱く、演奏性が向上する代わりにコントラバスらしい厚みのある重低音は出しづらいという特徴を持つ
これに対してソロ弦というのはソロチューニング A/E/H(B)/Fis(F#)を可能にするための弦である。
基本的にオーケストラ弦よりも張力が強く。高音がより響くように作られている。
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